オーラルフレイルとは
2021年07月05日
7月に入り、梅雨明けまでしばらく日を追うごとに蒸し暑くなりますが皆様元気でお過ごしでしょうか。どうぞ体調にお気を付けくださいね。
オーラルフレイルという言葉はご存知でしょうか。英語で「オーラル」は「口腔」、「フレイル」は「虚弱」という意味です。オーラルフレイルは口腔機能の衰えが身体的・精神的・社会的な健康と大きな関わりを持っており、全身の老化につながるという考え方です。次のような自覚症状があるときには要注意です。
1.奥歯でしっかりと噛めない
2.噛むと痛みが出て不快感がある
3.食べこぼしがある
4.むせやすい
5.口が乾燥しやすい
6.滑舌が悪くなっている
オーラルフレイルはいくつかの段階を踏んで進行していきます。
口腔機能への関心が低下するとむし歯や歯周病になる→歯が抜ける・痛みがでる→口腔機能が低下→食事や会話に不具合が出る→食欲の低下・日常の活動範囲が狭くなる→噛む力や舌の筋力が衰えさらに食べる量が減る→低栄養の状態や、会話が減って社会的な孤立につながる。また、口腔機能が低下すると咀嚼や嚥下に障害が起こり要介護の状態になってしまうこともあります。
食事においてもお口のささいなトラブルを放っておくと歯周病やむし歯などで歯を失い、固い食べものが噛めなくなってしまうため好きだった固い食べものを避けがちになってしまいます。さらに噛む機能が低下すると、ますます噛めなくなり、よりやわらかいものを食べるようになるという悪循環に陥って食欲の低下を招くことが懸念されます。
オーラルフレイル予防のポイントは、「口の運動をいつもより意識して行う」ことです。現在、日本歯科医師会は、一口30回噛むことを推奨しています。よく噛むためにはれんこんやゴボウなどの噛みごたえのある食材を選び、調理法も切り方をやや大きめにしましょう。りんごやカボチャなどは皮付きのまま食べることができるので適度な噛みごたえがでて、さらに栄養も多く摂ることができます。また食材を加熱し過ぎて柔らかくしすぎないように調理時の水分量もコントロールして調理することをおすすめします。ただし口腔内や嚥下状態に合わせて調理方法や食品選びをすることが大事ですので一度歯科医院を受診しましょう。
食べ方のポイントは、「噛んで味わって食べる」という意識を持つことです。一口量を多く詰め込まず、食事に時間をかけるようにします。家族や友人と一緒に楽しく会話しながら食べることも大切です。さらによく噛むことは、料理の食物の味や香りなど五感を刺激する食べ方なので脳の活性化も期待されます。
<参考資料 日本訪問歯科協会・NTT都市開発ウエリスオリーブ>