メタボリックドミノについて
2021年11月06日
みなさんこんにちは。すっかり季節も秋となり夜の気温もぐんと下がってきましたね。
朝晩は寒い日がありますのでご体調に気をつけてお過ごしください。
虫歯や歯周病はさまざまな全身の病気に大きく影響しており、近年メタボリックシンドロームとの関連もよく取り上げられています。メタボリックシンドロームとは、内臓のまわりに脂肪が過剰に蓄積した状態です。腹囲の値によって内臓脂肪型肥満かどうか判断され、さらに高血圧・脂質異常症・高血糖のいずれか2つ以上を併せもった状態をメタボリックシンドロームと診断します。過食や運動不足等の生活習慣が原因とされています。
メタボリックシンドロームに至るまでの過程を表現するのが「メタボリックドミノ」です。メタボリックドミノのはじめの1枚目が倒されると糖尿病や脳卒中、心不全などのリスクが高まります。虫歯や歯周病は図のようにメタボリックドミノのスタート地点に位置すると言われています。
メタボリックシンドロームの危険因子で中心になるのが肥満です。マウスを使った実験では歯周病菌が出す毒素をマウスの皮下に連続して埋め込んだ結果、肝臓に脂肪が沈着し歯周病が肥満に結び付くことが分かりました。
歯周病菌は歯ぐきの炎症部分から血液によって全身へと流れるので、歯周病があると肥満に結び付くと考えられます。さらには肝臓にも脂肪を蓄積させるので高脂血症を生み出します。肥満になるとインスリンの分泌が少なくなって働きが悪くなり、その結果糖尿病に結び付いてしまうという悪循環に陥ることがわかります。
メタボリックドミノの最初の1枚が倒れないようにすることが大切です!基本的な、規則的な生活や身体活動量を増やすこと、充分な睡眠をとることに加えて「腹八分目」や「よく噛むこと」などの生活習慣を心掛けるようにしていきましょう。そのためには、健康な歯でよく噛んで食事ができることが重要です。
歯科医院での受診や定期検診を行って、日頃の歯磨きなどのセルフケアも意識していきましょう!
<参考資料:オムロン 歯周病が引き起こす全身病、日本内科学会雑誌 107 巻 9 号、口腔がん撲滅委員会>